日頃の虚無と教訓と後悔

虚無と教訓と後悔です。

チェンソーマン

週刊少年ジャンプで連載されているチェンソーマンがすごい。

作者は一時期話題になったファイアパンチの人。

ファイアパンチは第一話以降、一読しただけでは理解しにくい難解な描写もあったが、今作では一般受けする漫画を書く力が物凄く高くなっていると感じる。 

どこがすごいか?

 

まず絵に魅力がある。人の表情が特に緻密に描かれている。複雑な感情を表情に表し、それが分解される事なくそのまま読者にぶつけられている。

 

アクションも迫力がある。主人公をチェンソーにする当たり血飛沫が描きたくて仕方ないのだと思う。実際そういったグロテスクな描写も多く、ゴチャゴチャしているが、それでいて見やすい。特にサムライソードとの再戦は必見である。背景から何からカッコいい。

 

独特なセリフ回しも記憶に残る。あんまり深く考えてないようなキャラのセリフが面白い。基本、説明的なセリフは少なく、絵で伝える漫画だが、セリフにも絵に負けない魅力がある。

 

現状、ストーリーが示されたゴールに進んでいる描写もあるが、まだ昨今の流行りであるキャラクターで売る漫画である。そのキャラクターの個性も設定も意外性があって良い。

キャラクターは一筋縄では表せない人間性を積極的に描いている。一見冷酷な人間だが酒で色々ごまかしてたり、復讐は望まれていないと言いながら憂さ晴らししたり、人の死に怒りはするが理由が利己的だったりと、読み込むほど色々見えてくる。

 

設定で言うなら、寿命を削る系の能力者が本当に寿命で死にそうとか。今まで寿命削る能力なんてほぼ作中ではノーリスク扱いだったが、本作では本当に死にそうである。そんな漫画あったか。

 

全体的に1エピソードに映画のような読後感が得られる良い漫画である。アニメ化が待たれる。

 

個人的に公式PVのダサい感じもB級映画のような雰囲気でいいと思った。